「さわのはな」というお米、ご存知ですか？

1960年に、山形県内で誕生したお米品種です。

母親は、コシカリの祖母。
父親も、コシヒカリやササニシキなどの良質米の遠縁です。

20年前まで山形県内では一般的なお米でしたが、
1997年に県の奨励品種から外れたため、
種籾が一般に流通しなくなってしまいました。

それでも、さわのはなの美味しさを忘れられない人々が細々と作り続け、
一般市場から消えながらも、 農家の自家用米として
市場にほとんど出ないまま今なお愛されています。

1．少ししか採れない

はえぬき　や、コシヒカリと比べて、
同じ面積で採れるお米がグンと少ない品種です。

特に、「はえぬき」などの昨今の品種は、肥料を多くあげると収穫量も増えるのですが、「さわのはな」は、肥料を多くあげても、採れる量にあまり変化がありません。

 

２．見た目が白い

さわのはなを始めて見る方は、その見た目にちょっと驚くかもしれません。
もち米のような、乳白色の米粒がたくさん混ざっているからです。

さわのはなではなくても、お米の実る頃に高温や日照不足になると、
乳白色米が出来やすくなります。

けれども、同じ気象条件で育っても、上の写真のように、
突出して乳白米が多く発生します。

乳白米は、精米すると崩れやすいため、扱いにくくもあります。

浦田農園では、色彩選別機を用いて乳白米を取り除いてお送りしています。

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そんな理由で、量と見た目重視の米市場から、「さわのはな」は消えていきました。

なぜ、さわのはなを作るのかというと「おいしいから」それだけです。

香り、噛むほどに広がる甘み･味。
コシヒカリほど重い粘りではなく、
食べ飽きない適度な粘り。

炊きたてだけではなく、冷めても発揮する味。
夏を越しても、劣化しにくい強い力。

収穫量が少ない為、何度もやめようと思いながら、
どうしても食べたくて、
面積を減らしながらも作り続けてきました。

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